『北京故宮博物院200選』@東博

 三茶の友人と東博へ行って来た。目的は今やっている特別展示『北京故宮博物院200選』を見るため。ここの所寒い日が続いていたのだけど、今日は小春日和かのような暖かさを感じた上野はすっきりと晴れた空も心地よく。
 公園で一服する友人に付き合ってベンチで最近彼女がハマっているカソナード(cassonade)のマドレーヌと、美味しい紅茶(ダージリンの夏茶)を頂く。今日は今までに2番目くらいに良い焼き上がりだという。マドレーヌは”乳首”が出来ると良い出来らしい。これは、焼きあがって膨らんだ生地が冷えてちょっと小さくなるときに真ん中がぷっくり膨らんでいると良い出来というサインだとか。
 マドレーヌの焼き色は焦がしバターにかかっているという話も興味深く拝聴。へぇ〜、なるほどね。単に焼いただけじゃあの色にはならないのだとか。

 いやぁ〜、それにしてもかなり美味しいマドレーヌでございました。カソナードの甘さってかなり上品なんだね。ごちそうさま〜ん。

 さて、東博。2時前くらいに入るがやっぱり人が多くて、ガラスケースの前はどこもかしこもベルトコンベアー状態。 そんなベルトコンベアーに乗っかって観るのは、二人ともかなり苦手でごめんなさいなので、覗き見しつつ、つまみ食いしつつ、あーでもない、こーでもないと自分なりの小さな発見をお互いに呟きあいながらぐるっと2時間かけて見て回った。

 やはり熱いのは前半のモノクロームワールドより、後半のカラーの世界。人間の能力ってどこまで磨けるんだのなんだこりゃたまげた〜の世界から、これはどうなのよ?の疑問形の世界までなかなか楽しく拝見して参りました。

 皇帝の手間のかかりまくった服「龍袍」の細工の緻密さに感嘆符を吐きまくる。手間も凄いが、材料集めも大変そうな世界。 後から東博のBlog「1089」を見たら、このような記述が。

さらに敷き詰められた糸を拡大してみると、なんと、撚りのかかった淡い緑色の絹糸に、孔雀の細い虹色の羽毛が一本一本コイル状に巻き付けられているのです。 ー 研究員おすすめのみどころ(龍袍)

 気の遠くなるようなサイズの緻密な絵画世界は、今で言う写真かビデオドキュメンタリーか。カットアンドペーストのようで、そうでない微妙な非相似形。 その中に見つける生き生きとした風俗と人々のウォーリー的楽しみ。この時代の皇帝という地位とその権力のもとに注ぎ込まれる力のベクトルのいびつさ。

 色々と想像と妄想を働かせながら見て回るのは大変に楽しゅうございました。 それにしてもかの国の職人世界の突き抜け方は、日本とは違う方向なんだなぁって思った次第。

 そうそう、冊封体制朝貢の図(『万国来朝図』 清時代・18世紀)があって思わず「琉球」を探してみちゃった。 暫く探して、居た居たいました!黒朝・はちまちの一団。隅っこには「日本国」も。坊さん的ルックスで、見つけにくかった。

 21世紀になってから展示物の見せ方と照明は、東博は毎回進化していてそこにかける情熱を持つ人たちを湛えたい気分。そうそう、チベット系の小さな仏像を見せるコーナーで壁に映ったシルエットがとても良かった。美しい〜♪

 いやぁ、それにしても

龍・龍・龍

 あっちにもこっちにも

龍・龍・龍

 龍好きなオイラでも笑っちゃうくらい。東博に来ていた200点の中に何匹の龍がいたかなんて考えたくないくらいの数ですよ。上述のBlogの記事の中だけでもどれだけ出てくるか!絵の中の船の壁に書かれたものすっごく小さな龍だけでもどれだけの数か!
 そんでもって何故か正面顔が多くて。でも、その正面顔が正直どうなのよ?という感じのが多くて。鳥山明は上手いよなぁ〜って思った次第ww いや、もう、ほんとに。私はやっぱりカッケーってのがいいです。


 それにしても上野駅。駅中のエキュートに並ぶ店のラインナップがクオリティ的にびっくりです。帰りにブーランジェ浅野屋のパンを買い忘れたのが悔やまれますww