ゼロ円餃子とアーサー汁の夜は、凍りつく寒さと熱くなる心で

 散文的に催されるダイバー的Deep高円寺の集いの儀が、鼻水も凍りそうな寒さの夜に無事とり行われました。あの夜の気温は、多分0度か氷点下だったと思われ。前回参加だったGS氏は、夜は落語の会へ行くとかで不参加。神林長平に反応したGB氏がいないのは微妙に残念だが、氏はどっちかというと谷甲州派なのでいいか。谷甲州で一番好きなのは実は「天を越える旅人」だったりする。チベットの修行僧が曼荼羅世界に没入して宇宙の成り立ちに行きつくすぎょいSF。ととと、話が逸れた。代わりに新妻ナースのYちゃんが登場。そんなわけで主催の画伯ダイバーを入れてこじんまりと3人で、しかし話は広く深く降りて行く。

 このゼロ円餃子の店は高円寺のガード下にある。ドリンク一杯につき、餃子一人前(250円)がタダになるというシステム。写真のは2人前かな。ここのおつまみきゅうりが旨かった。名古屋のモモガッパで食べたモモガッパサラダに匹敵する系。キュウリに隠し包丁が入ってる分、味の染み込み方や食感が変わる。甲乙つけがたいが好みが分かれる部分かもな。
 
 私以外は「ALWAYS '64」を見てきたそうでその映画から受けた感想を軸に、いろいろ人生感だとか、死生観などのDeepな話に盛り上がる。Yちゃんがナースなのでそういう現場に毎日向き合ってるということなんかからも生の深い話への展開になったのか。
 もちろん映画の話だとか、沖縄の話だとか、海の話もしたけど、日本人の不幸体質。というか、不幸だと思い込む体質の話はいったいどこから来ているのか。すぐ人と比べたがる性質というか、他人の目から見た評価でしか自分を肯定できない体質は、どこに根っこがあるのかを論議してみたり。その点、関西人気質はイタリア人にちょっと似ていて、「自分は自分、人は人」という部分が大きいかもだとか。イタリアに一年いたYちゃんは、向こうでかなり価値観のシフトを経験したそうでイタリア人は、ALWAYSの時代のマインドをそのまま今も持ち続けている、と。「どこで生まれ育ったか」ということへの強烈なアイデンティティは沖縄の人に通じるところがあるんじゃないかと。あの私たちから見たら楽観的にも見える考え方は「何を幸せと感じるか?」、あるいは「幸せを感じる能力」の強さにあるのではないかと。まぁ、居酒屋での論議ですから自分の思うところを素直にぶつけてみるわけで。かなり楽しい議論でありました。

 寒いので芋焼酎のお湯割りなんかを飲みながら18時過ぎスタートで結局餃子は3人で8人前喰ったかな?旨かった〜〜!! 腹具合も結構な感じなので、そろそろ河岸を変えるかねと。どこに行こうかとちょっと考えて、そうだ「むるち」行こうと店を出る。まだ9時にもなって無いし。

 しーかーしー、寒い。めちゃ寒い。本当に寒い。ひぃぃ〜〜〜。昼間の天気の良さも手伝ってか、放射冷却極まれりとはまさにこの感じ。酔いも一気に覚めるクラスの冷えっぷりは久しぶり。

 「むるち」は、嘉手納出身の屋良さんがやってるうちなー居酒屋。 屋良さんは、古謝美佐子と同級生だとか、まあそうそうたる唄三線琉球芸能の人たちに囲まれて育ってきた人っぽい。嘉手納もその辺濃厚だもんねぇ。

 寒くてたまらんかったので、泡盛のお湯割りを頼もうと思ったのだけどさっき一杯飲んだ焼酎のお湯割りが効いていてまだ血中アルコホル濃度は高い感じだったので、熱い茶にして貰った。なんだっけなぁ、途中Duneの話で盛り上がったなぁ。オイラは映画から入ったけど、画伯は小説から入った派で映画にはちと否定的。にゃるほど〜、いや、オイラはあの映画のどうしようもない感じが好きでさ。あ、後「2001年宇宙の旅」の話でも。Yちゃんは珍しく小説から入た派で、アーサー・C・クラークあたりは全て網羅しているらしい。ってか、2001年だけはノベライズなんすよね。映画が先。

 先客の妙齢のカップルが40年くらい前の唄をカラオケで歌い始める。オイラでもかすかに知ってたり、知らなかったりする世界。 でも、梓みちよは分かったよ〜♪ちなみにカウンターのおじ様、40年くらい前に池袋の「琉球御殿」に入り浸ってたそうでそこから沖縄に興味を持ったとか。歌声喫茶系っつう感じで、三線で伴奏してくれるっ人が居たんだって言ってたかな。 さすがにググっても「琉球御殿@池袋」は出てこないなぁ〜。誰かご存知ないすか?

 ま、流れで何か一曲唄えということになって、三線を借りてしっかり調弦してから舞踊曲のアレを唄ってみたり。今一番自信を持って唄えるったら、これしかないし。そう、これしかないし(爆)そしたら、次に屋良さんが同級生の唄を唄うよ〜って、カラオケで「童神」を唄ってくれた。きゃぁ〜、渋くて素敵でした。そんな、こっちを見つめるように唄わないでぇ〜ww

 と、そっからどんどん盛り上がってやんや、やんや。それにしても、もずく汁も旨かったが、アーサー汁が絶品だった。鰹出汁の効き方も抜群だけど、そこに加えられた黒胡椒のスパイス感が最高!!最後に頼んだ午前にならないと作って貰えないボロボロジューシーも、ほろほろと心もほぐれる旨さで。今度は、ジーマーミーとチラガーも用意しておいてねぇw
 そんなわけで気が付いたら終電は終わっていた。頑張って歩いて帰ったさ〜。いや、普段なら全然頑張らなくてもいい距離(徒歩20分弱)なんだけど寒さが堪えたね。多分、氷点下だった筈。

 あぁ、久米島行きたいなぁ〜。画伯は球美得意ですもんねぇ。ギンガメトルネードー!!ってか、今年の夏は渡名喜遠征に行きたい。久しぶりにあそこの海潜りたいなんて妄想したり。次回は、4月かね?その頃帰国予定のリロアンの野人も交えてまた同じ経路でDeeeeeepに話し倒しませう。

天を越える旅人 (ハヤカワ文庫JA)

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