組踊ワークショップ@復帰40年沖縄国際シンポジウム

 シンポジウム二日目の今日は第4セッションに行われた組踊のWSへ行って来た。場所は小野記念講堂@早稲田大学。このホールってば地下にあるんですね。それだからかドーンと重厚な空気感だったなぁ。ホールってよりスタジオっぽい。地下だと音とか振動漏れにくいのかなぁとか思いながら見回してみたり。爆音出せるんじゃね?ww
 階段状のホールは、それでも結構な席が上まで埋まっていたよ。

 今日の早稲田大学の組踊WSもとても愉しかった。沖縄学の一環でいわゆる公演ではなく組踊を紹介するWSということでいろんな説明もあってやっぱこういうのも楽しいなと勉強気分で。この間の国立劇場で舞台を観るのとはやっぱり違う。銕仙会でのWSに続き今回2回目となる友人も、「あぁ、こうやって知ってる人とか、知ってることが増えてくるとハマって行きそう。面白い!」と、素敵なコメント。

1.かぎやで風節 玉城盛儀
2.本嘉手久節 佐辺良和
3.上り口説 玉城盛儀
4.仲風節(独唱) 仲村逸夫・池間北斗(箏)
5.花売の縁(抜粋で:森川の子がせんする節を踊って登場、乙樽が梅の花を求めるとこからラストまで)
  森川の子 川満香多
  乙樽 佐辺良和
  鶴松 謝名堂奈津

解説:嘉数道彦
三線:仲村逸夫・喜納吏一 箏:池間北斗 笛:宇保朝輝 太鼓:久志大樹

 今回も嘉数道彦が解説役として登場。なんだかすっかりお馴染みな気分w いつもわかりやすい話をありがとうございます。参加者の半分くらいの人が初めて観る人ということで、丁寧な説明が各演目の前と後に入るのがとてもいい。踊りの見どころなどがあるとどこに注目すればいいかのよすがにもなるし。
 
 今日の衣装の説明は打掛の装いの説明だった。髪型とかのしとかのアクセサリーとか、胴衣と下袴の説明。前つぼりの説明。前つぼりが「道行き」を表しているとか最初は分からなかったもの。単にファッション的なデザイン?って思ってた。でも、こうやって衣装をどう着るかによって場面を説明しているお約束など知らないと知っているでは世界への入り方が違うのでこうやってちょっとずつ勉強が出来て、本当にありがたいことです。それから若衆の衣装の説明。
 それにしても、あの前つぼり。友人達と、なーんであんなすっとさりげなくキレイに決まるの?と、そんなことにもいちいち興味津々。

 楽器の紹介では、三線は島尻天川でした。ひゃぁ〜、なんか私が知ってるのとはちょっと違う感じのウタモチで面白かった。リズム感もおぉぉ!と。

 舞踊は、玉城盛儀と佐辺良和で。玉城盛儀の二才は渋くてかっこええですのぉ。流れるような動きの上り口説に目が釘付け。扇の舞い方がいいのかなぁ?まだそんなに沢山みてないので良くはわからないけど。そんでもって耳は地謡に釘づけ。本嘉手久を観るのは二回目だけど、佐辺良和のが動きが美しくて良かったなぁ。
 そして今回は「仲風節」の独唱。これ嬉しかった。舞台を観に行っても組踊や舞踊はクローズアップされるけど音楽チームは微妙に縁の下の力持ち風だったりもして、こうやって古典芸能の中の音楽部門も取り上げてくれるのにはあんまり出会えないので。まぁ、沖縄での事情は違うのかもしれませんが。そんなことがあるとは思ってなかったので、目と耳を総動員して聞いたなり。声を目でも見てみたよ。勉強になります。そんでもて右手の動きが美しか〜。いつの日かみにくいあひるの子がオデット姫になれる日がくるんだろうかとか混乱したことを思いながらww

 組踊はフルではやらずに森川の子がせんする節を踊るところから。だもんで猿使いも薪取りのオジィも出番なく。でも、これはこれで良かったなぁと。舞踊と説明があって、独唱があって、そして組踊と言う流れ。WSとしてはちゃんと成立していると思った。朝からセッション参加しててこの時間だったらこれくらいが集中力の限界かもとか思ったり。

 昨日のセッションで聴いた唱えの説明を思い出しながらとか思っていたのに始まったら、すっかりそんな意識は頭の片隅に飛んでましたな。片隅で主張するのでところどころ気にしては見ましたが。あははは。
 地謡は上手に並んでいたので、地謡見たいは立方も見たいはで何気に忙しい。見てると三線調弦を変えるときにまったく同じタイミングでカラクイに手をやったりするわけで、どうやってタイミングを計ってるのかとかも気になりだしたら止まらない〜。とりあえず笛が動いたら、あ、曲始まるかと地謡をチラ見。呼吸で合わせてるんだなぁ、きっと。

 出演者は4月1日のパブリックシアターの人たちがかぶるのかと思ったら、出ない人たちがやっててちょっとびっくり!先日の国立劇場が良かった川満香多が登場で、お得気分!うれしい誤算。そんでもって地謡も4月末まで聴けないかと思っていた仲村逸夫と喜納吏一のコンビでやっほ〜い!最近、舞台で結構聴いているのですっかり調教されてしまっている。あはは。それにしてもこの人たちの声はぼーっとしてると聴き分けるのが大変なくらい歌い方というか、声の出し方?を合わせていていつも凄いなぁ〜と思う。

 さて、明後日は「執心鐘入」と「花の幻」@世田谷パブリックシアターの二本立て!楽しみでございます。執心鐘入は、去年の夏に国立劇場おきなわで観て以来。♪わんや中城の若松どやゆる みやだいりごとあてど首里にのぼる〜 ♪里と思みばのよでいやでいふめ御宿〜ですな。安冨祖流モードだし色々と未体験ゾーンも多くて楽しみ。
 それにしてもこの後のこっちでの組踊の公演の予定の情報がさっぱり入ってこない。あうーん、探しきれていないのかな。舞踊関係は、4月、5月とあるんだけど…。

 花笠の上の部分に椿の花を隠すのはお約束なんね。一番最初にそれを観たとき、そ、そっから出すんや〜と驚きまくったことを思いだした。ストーリー的にはそんなことに気を取られている場合じゃないのに。ああは。