「琉球芸能 本土に咲く華々」@横浜能楽堂

 GWまっただ中の桜木町はすっかり初夏手前の陽気。駅前は平戸つつじが色とりどりに満開。やっと冬を抜けたって気分。寒い日が長かった〜!
そんな中、「琉球芸能 本土に咲く華々」という琉舞公演を観に横浜能楽堂へ行って来た。こちらで活躍する人々を中心に構成された舞台になっていた。
 横浜能楽堂へ来るのも3回目。もう道すがらも慣れたもんですw って、桜木町で合流してランチに行って、能楽堂まで行きはタクシー、帰りは鑑賞の反省会を友達としながら坂を下って駅まで歩くだけだけど。帰りの反省会が楽しい。坂道下りながら踊りを真似したり、唄を真似したり、アレやりた〜い、コレ作ろう〜とあーだこーだと。
 

雑  踊「鳩間節」平良豊子
民俗舞踊「京太郎」児玉清子 児玉由利子 児玉絹枝
琉球筝曲「愛し思童」「遊びジャンナー」名嘉ヨシ子
雑  踊「なりく踊」児玉小百合 児玉恵美子 児玉紀子 児玉豊子

狂言小舞(新作)「江戸上り若衆」山本東次郎
  作詞:大城立裕、型附:山本東次郎
  地謡:山本俊則、山本泰太郎、山本則孝、山本則重、山本則秀
創作舞踊(新作)「浅黄の帷子」宮城能鳳
  作詞:馬場あき子、選曲:比嘉康春、作舞:宮城能鳳

創作舞踊「水かがみ」志田真木
女  踊「綛掛」具志忍
創作舞踊「磯千鳥」山川昭子
創作舞踊「古見之浦」志田真木、井口美恵子、砂邊美智子
女  踊「作田」金城美枝子
女  踊「諸屯」志田房子

三線:比嘉康春、新垣俊道、仲村逸夫
箏:名嘉ヨシ子 笛:宮城英夫 胡弓:又吉真也 太鼓:比嘉聰

 名嘉ヨシ子の唄と琴にうっとり、素晴らしかったです。母という感じのふっくらとしたまるく温かい世界が広がっていた。実は初めて聴きました。名嘉ヨシ子も初めてなら、琉球筝曲というジャンルも。そうか!そうだったのか、女性がこういった曲を唄うのはここにあったじゃないかと。知らなかった〜!!そういえば筝曲系のCDもいろいろ見たけど、唄は入って無いのかとばっかり思い込んでいた。そんな世界があったんだ!本気で今まで知りませんでした。
 なんだか、緑むせかえるジャングルを渡る風が吹き込む古民家だとか、やさしい波音だとか、そういう沖縄幻想が頭の中にふわ〜っと広がる世界でした。そういった場所で聴きたい。きっと悶絶。これいいぃぃぃいいいぃぃぃ〜〜〜〜!!ってか、いつかそんな風に唄えるようになりたいぞ。イメージって大事ね。ありがとうございます。(あぁ、笛をちゃんと習いたひ。マジ)

 宮城能鳳が踊る新作舞踊「浅黄の帷子」は、熟女の燃える思いが踊りと唄になっていた。「浅黄の帷子を着た若衆に思いを伝えられず、思い悶える女性の寂寥感を描き出す」とパンフレットにはありました。
 帷子を頭からかぶり両手でささえて橋掛かりを止り、止りしながら帷子で顔を隠しつつ誰かを探すように周りを見ながら登場。外に出せない激しい感情を内に秘めて押さえて、でもそれが時折吹き出すような感じもありつつ。素敵でした。手の動きのしなやかさ、背中を見せて歩く時の動きに目が釘付け。もう一度じっくり見たい。

 曲は、出羽が金武節、中踊が本赤田花風節、入羽が下出し述懐節。金武節は能鳳さんが橋掛かりを歩く間は箏と胡弓と笛だけで唄三線は入らずにゆったりと一曲。そして踊り出しで唄と三線が同時に入ってちょっとテンポアップで始まった。この展開に音的にもちょっと鳥肌〜〜!!本赤田花風節、唄持が湛水流の島袋秀治のCDの赤田花風節みたい〜って思いましたが、踊りに集中していて細かいことは覚えてませんのー。花風っぽいあの三線と唄の絡みのフレーズが耳に残ってます。っつーか、これって今でいうRemixですね。カバーというよりRemix。ってか、本って付くからこっちが元?ま、そのうち勉強してみまふ。
 入羽は、比嘉康春の独唱。素敵〜♪
 そして最後、唄が終わり暫く唄持を繰り返した後、三線が消え、琴が消え、笛が消え、と段々と楽器が減り、最後に胡弓の音だけが会場に残ってと音楽もそうやってゆっくり時間をかけて終わりました。はぁ〜、世界でした。

創作舞踊「浅黄の帷子」
苑生の牡丹の 乱れ咲く見れば 忍ぶに苦しき 燃ゆる思い (金武節)
憎い若衆は 浅黄の帷子 御手は取れどもヨ さて分かるる (本赤田花風節)
短か夜の夢か ただ一度逢うて またひとり寝の 枕さびしさや (下出し述懐節)

 志田真木は、いつみてもきれいねぇ。この人の手のなまめかしいしなやかな動きだとか、表情がいつも素敵だなぁと思う。「磯千鳥」は、南洋浜千鳥とかの創作系の流れを組むのでしょうか?琉舞には無い動きがいっぱい出てきて、友人達とも話題沸騰!!楽しい〜。あと、あのどや顔の流し目。うっふっふ〜♪

 いろいろなタイプの演目がバラエティ豊かに盛り込まれていて、とても楽しい舞台でした。この能楽堂という空間で観るのは結構、いやかなり好きです。いわゆる劇場とはまた違う空間で。音響的にも完全生音だし。や、ある意味贅沢ですね。こういうところで、こういったものを観ることができて、大変ありがたいことです。間近で踊りも地謡もじっくり堪能し、家にたどり着くころには反芻も極まりかなりはっぴーさん(←なんじゃそりゃ?)になっていました。楽しかった〜♪

 ねーねーが、NHKにインタビューされてたのでどうかな〜と観たら、ばっちり!!これは、「なりく踊」のこと。「根間の主」と「與那武岳金兄小 狩俣ぬいさみが(だったかな?あれ?メモしてなかった。勘違いかも)」が使われていたので。