春霞の吉野へ

 今、吉野山金峯山寺秘仏蔵王権現が特別ご開帳ということで見ることが出来る。関東ではJR東海が「今、ふたたびの奈良」ということでCMをガンガン流していて、回りでも気になっている人たちが結構いる。って、私は最近テレビを殆どリアルタイムで観ていなくて、観てもNHKかBSかって感じで、このCMはしらなかった。あああ。

 何年か前に、このめったに観れない秘仏が久しぶりに特別ご開帳されると知り、観たいなあとおもいつつ逃していた。先のリンク先のCMを観ればわかるように、あんな真っ青な巨大な権現が3体もおわすなんてその迫力を生で感じてみたいなぁと。

 今回のご開帳を知人の情報で知り、実家と密談。ぎりぎり奥千本の桜の頃じゃないかということで急遽大阪に帰ることに。というわけで初夏の陽気かと思う昨日吉野へ行って来た。うひひひ。
 奈良、京都の神社仏閣は両親が詳しいのでオイラはついて行くだけ〜。まずは車で金峯神社まで上がってそこに車を置いて、奥千本。初めて行ったのだけど写真の用に色とりどりの桜が咲いていた。もう散り始めていたけど、ハラハラと舞う花びら、それがまたいい感じ。この日は大阪でも27度って完全夏日だったわけで、吉野も結構ええ陽気。ただ春霞が結構きつくて青空は拝めず。
 春霞っていうと雅な響きだけど、黄砂なわけで。なんとなくホコリっぽい匂いの濃い大気。でも、杉木立の中の山道は静謐な空気でひんやりとクリアで気持ちよし。奥千本には「西行庵」もあって、西行と言えば「のりきよ〜!」じゃぁないですか。なんて旬なのかしらんww(全く以てドラマ清盛のおかげで西行のイメージがww)

 奥千本から少し下ったところに吉野水分(みくまり)神社。階段を上がって山門の手前の御手洗には写真のような龍がおわしました。竹をこう仕立てたセンスがなんとも素敵でございます。
 中のしだれ桜もまだ花が残っていて、こじんまりとしていながらとても素敵な美しいたたずまいの神社。本殿の屋根を去年葺き替えたばかりとかでそれも美しく。


 水分神社からさらに下って吉野山聖天さんにちょっと寄り道。駐車場が見当たらないので父が車をそのまま持って行ってくれたww
 牡丹桜が丁度満開で、今にも枝が折れそうなぐらいたわわ(←花には使わないけどまさにたわわといたい様で)な華、花、はな。

 弁財天さまの社があったので、芸事色々を祈っておきました。ぬひ♪

 写真は、役行者が履いて修行したという鉄下駄。ま、あっちこっちにそいうった鉄下駄ってあるからこれもその一つなのか。いろんな人が試したようなテリがありましたが、これ無理だって(笑)

 ランチは新たけのこづくしの吉野葛御前というのを神の千本あたりでいただきました。駐車場のあるお店に誘われるまま入っていったのだけど、当り!料理を作るばっかりで、他のことは苦手なの〜と朗らかに笑うお店のお母さんが素敵なお店。

 鮎の塩焼きがこの季節に?と聞いたら、冷凍だけど今の冷凍技術は進んでいて美味しいんですぅ〜と。確かに美味しかった!ま、天然ものじゃないけどね。
 お店の窓から眼下に見える新緑が眩しかった。一気に萌えだした感じで、光ってたよ。特に紅葉の新緑の光方は凄いね〜

 お腹もいっぱいになって元気も戻ってきたが、眠気も来そうだったので本日のメインイベントをこなしに出発。
 参道を下っていると遠目にも大きい権現堂が見えてくる。子供の頃とか何度か来ている筈なのだが、さっぱり記憶にない。ま、その分新鮮に楽しめたわけで。

 やっぱ奈良の寺はでかくていいなぁ〜。子供の頃は休日に両親が遊びに連れて行ってくれるところと言えば、奈良のお寺や神社が多かった。今と違って拝観料もほとんどいらなくて、境内はどこも広いし、のんびりしてるし、大抵タダで止めれる駐車場があってってのが奈良だったとか。そんなだからお弁当を持ってよく行っていた。季節の花や紅葉を観に色々連れて行って貰っていた。でも、あんまりそこがどこの何て言う寺だってのは覚えてなくてというか、当時はそんなことはどうでも良かったww

 1000円の拝観料を払うと、お土産にお守りと金峯山バックを貰えた。バックは靴袋にどうぞ〜ってことだった。本堂の柱の太いこと。そしていろんな木が使われている。天井も高くてやっぱ凄い。あの時代にこんな大きなものを作ったってことも凄い。
 そして奥にドーン!!と蔵王権現が現れる。うひゃぁ〜!!左から弥勒菩薩(未来)、釈迦如来(過去)、千住観音菩薩(現在)が変化した姿なのだけど、なんて力強くて立派な像たち。今にも動き出しそうに躍動感にあふれていて。ってか、でっかーーーーい!!!
 まず真ん中に座ってお賽銭を入れて蔵王権現マントラ「オン バサラ クシャ アランジャウン ソワカ」を唱えながら、そっと見上げてみる。はわわ〜。その圧倒される姿に目を奪われる。しばらくそこで観てから順路にそって行くと「どうぞ」と小さく仕切られた拝所みたいなブースに入れていただける。ここでさらに近くに見上げながら遮る物も無く拝むことができる。目がはなせない。隣のブースからはマントラがずっと聴こえていたよ。そんなに混んでいなかったから観音様の前と弥勒様の前両方入れていただけけました。ありがとうございます。じっくり堪能できたでございます。
 今回のご開帳は、蔵王門の修復のためだとかでどうやら今年から約10年の間、期間を区切って特別開帳が行われるそうだ。

 クリアファイルだとか、そういうキャラクターグッズは無いのかしらとよこしまな期待をしてみましたが、そういう商売はしていないようでした。あはは。修験道の総本山なわけで、修験道専門店が参道にいくつもありました。ひえぇ〜、本物や!!途中で、山歩きの山伏を見かけましたがザックとかの装備は結構最新式の山用品持ってたよ。この世界にもハイテクの波がきているのでしょうか?

 頚から上の守り神として顕現あらたかな脳天大神へも是非ということで行ってみた。権現堂から下ってさらに450段の階段を下れば行けるのだけど、その段数を往復するのは厳しすぎるので下から車で行ってみた。
 杉木立の中の細い道をたどって、辿ってやっと巡りつく。そんな奥深い谷間にひっそりと脳天大神はありました。本尊は鏡でしたよ(多分)。神仏混合面白い。そんでもってここは龍だらけ〜。ここの御手洗の龍ってば宝剣を抱いて火炎を背負ってかなり立派でカッコ良くて大きかった。

 階段を下から見上げて、つくづく車で来て良かった〜と思ったのは内緒ですww