アイライン強調の妙


 23日の目的は夜のよなは徹@AサインバーKOZAでのLiveだったのだけど、じゃぁ昼間は何しようかと家を出る前に考えてた。あ、そうだ!名古屋近辺の美術館とか博物館で面白いものやってないかとgoogleさまに御宣託をお願いしてみたわけだ。
 そうすると名古屋には、名古屋ボストン美術館というアメリカのボストン美術館(ABM)の姉妹館があるんだね。へぇ〜とHPを開いてみたら「清永・歌麿写楽の浮世絵が一世紀ぶりに里帰り」とあったわけで。お、こりゃいいんじゃねとチェックしておいたのね。

 ランチに何を食べようかとつぶやいたら、名古屋方面の人たちから「蓬莱軒のひつまぶし」っつうツイートを貰って松坂屋本店の上に支店があるという話。ということで、11時前にはホテルを出て、栄まで。ちょっと寒かったけど天気が良かったのでプラプラと歩きながら行ってみた。丸の内と違ってそのあたりまでくるとお店もやってるし、人もいっぱい歩いてるしでおのぼりさん気分でフラフラと。やっとたどり着いた松坂屋。さすが呉服問屋。そっち関係の充実度ったらすぎょいね。機会があったらじっくり見学しとうございます。
 しかーし、問題のひつまぶしはまだお昼には時間があるのに既に100人近い行列で、恐れをなして即退散。っつーか、そんなにまで人が並んでるって状況に驚いたよ。おそろしや。

 さて、ボストン美術館。携帯サイトを見せると100円引きだって。東博とかと同じやね。ロッカーに上着も鞄もすべて預けて携帯とiPodだけポケットに突っ込んでみてたのだけど、寒くて上着を取に戻ったよ。上着を着ていて丁度いい室温になってた。省エネ?
 最初は、清長からなんだけど最初方ってお客さんもまだ集中力がありあまってるからみんなじっくり見てて自分のペースで観れないので、最初の方はまずはすっ飛ばして後半から見始める。清長の浮世絵って繊細さが凄いね。色の重ね方とか着物の模様とかものっすごい繊細な印象。歌麿は、本当に美人画ばっかりで男子の絵が少なかった。で、その美人画といわれるものなのだけど、顔が一種類にパターン化されていて見分けが全くつかない。一体、それを見て江戸の人々はどう鑑賞していたんだろうって思う。これは誰それ、それは誰それって一応あるんだけど顔がぜーんぶ一緒なんだよ。妄想でディフォルメして脳内変換していたのか。不思議なりよ。
 で、歌麿を年代順に見ていくと途中からなんか絵の人物の色っぽさがUPするのよね。見ていくと気づくのは違う絵になったとかじゃなくて、目なんだよね。それまでは目の上も下も同じ細さの線だったのが、ある時期から上だけ倍の太さのくっきりした線になるのよね。ズバリ、上アイライン効果。陰影のない浮世絵の顔だから、たったそれだけのことで変化をもたらすわけで。へぇ〜、って思った。
 写楽は期待したのだけど、出展数が少なくていまいちよく分からなかった。確かに、目とか口とかかなり特異な感じはしたけど。
 それにしても浮世絵。あの鬢の髪の毛一本、一本のあの細かい線。そして多色刷り。もの凄い洗練された技術なんだねぇ。着物の柄も江戸小紋とか全開でそういうのを見て回るのもかなり楽しく。これってある意味ファッション・グラビアなんね。江戸文化ってすごいわ。

 途中にあったレクチャールームとかいうので「江戸の結髪」ってビデオをやっていてそれがとても面白かった。ビデオでは「灯篭鬢」ってのをやってたよ。

 まぁ、1時間半くらい見たところで集中力も切れてきたので、ざっともう一回見て回ってからホテルに戻った。浮世絵キャラクターグッズはいまいち熱くなれるもんが無かったので何も買わなかった。