2000キロの江戸上り

 昨夜は三越劇場で「よみがえる琉球芸能 江戸上り」という公演を友人達と観に行ってきた。江戸時代に琉球から江戸まで上ってその時に披露していた音楽やら舞踊やらだそう。今は絶えてしまったものを文献や絵なんかをもとに復元しているのだそう。
 どうやらチケット完売御礼だった模様で、開場の1時間前から整理券配布するというので早めに行って整理券ゲット。結構前の方の真ん中で見ることができた。着物の地模様とかも見える感じで、なかなかいい感じで。ラッキー♪

 やぁ〜、超面白かった。衣装、楽器、音楽、仕立て、踊り…何から何まで見るところ満載で、キョロキョロしちゃうくらいに。友人とも、アソコがどうの、ソコが何だのつっこみつつ鑑賞。落ち着きなくてすいまへん > 周りのみましゃま
 琉球芸能自体、まだ覗き始めたばかりなのだが少ない知識でもわかるそれとは違う展開とかにへぇ〜って感じでとても興味深かった。

 最初に「御座楽」っていう演奏の演目があたのだけど、見たことのない楽器がいっぱい出てきて、なんだアレ、なんだソレと興味津々。どうやらこれらの楽器は、一度戦争で無くなってしまっていたのだけど尾張の徳川家に献上品として保管されていたものがあって、それをもとに復元したというものだそう。
二胡の原型だと思われる「二絃(nisen)」、それに似た「四胡(shiko) ←こっちは胡なのね」
だとか、三線の原型の三絃(sangen)。それから、胴の部分が木でできていてきらびやかな螺鈿が全体に施された「長絃(chosen)」ってのとか。(←まぁ、うっとり〜♪)
 琵琶は、知っているものよりはちょっと小ぶりで何よりバチを使わずに、五本の指に爪をはめて弾いているのが面白く。トレモロとかやってるし。へぇ〜、琵琶ってバチでベンベケベンベンやるものだとばかり思ってたから目からウロコ。
 後、堤箏(teiso)っていう、ちっちゃい箏があったのだけど、それは左腕で抱えて右手に持つの「弓」で弾く。琴を左右に傾けて弓に絃をあてて弾いていたよ。手で押さえたりしないから、音階は固定ってタイプだね。おもしろ〜い!!笛も、お豆腐やさんのラッパみたいな(音もそのまんま)やつとか、横笛もなんだかすごく長いし、縦笛もあったり。でも、どの楽器も四つ竹に付いているようなフサフサ飾りが付いてるのよね。かわゆす!!

 音楽は中国っぽいっていうよりか奈良時代っぽいっていうか、御所っぽいっていうかそういう感じがした。雅楽ともどこかでつながってる感じもなきにしもあらず。メロディラインもテンポ感もね。そんでもって琉球色はあまり感じられず。
 ま、復元したものらしいから実際にはもっといろんなモノがあったのかな。雅楽並に洗練された世界があったのかもねぇなんて想像しちゃうのですが。

 そして「琉躍(りゅうおどり)」。今の琉球舞踊の原型らしいんだけど。
 衣装がね、紅型とか無いのよ。あって地模様とかでさ。この時代に紅型が無かったわけでは無いと思うのだけど、残ってる絵とかをもとに再現しているらしいので、その絵にはなかったんだろうね。あ、そっか、この時代はまだ紅型とかって王族の着物だったんだっけ?機会があったら調べてみよう。

 それよりも、何よりも、地謡よ!!もちろん殆ど男子なんだけどさ、全員どうらんバッチリでメイクしててさ、そんで、そんで、そんでよーーーーーーーー!!!髭が、髭が、口髭がぁ!!
 唇の上に左右に飛び出る口髭装着で。飛び出てるんだよ、びよーんって。ちょっとボサボサの筆先みたいな感じで。後、7〜8センチのあごひげね。地謡三線の3人の兄ちゃんズは、おじちゃん系じゃなくてわりと若手系の人たちだったわけで、結構まじまじ顔見ちゃったよ。や、もちろん唄も上手いし、オイラ好みの綺麗な声だし、そのあたりもドキドキなんだけど、やっぱりあのメイクと口髭には目が釘付け。まぁ、珍しいもんはよーく観たいわけで。ってか、あの髭が地毛だったら普段どんな?とかそんなイケナイ想像が頭を駆け巡り。
 あ、いかん、いかん。ついついどーでもいいようなことに集中してしまった。

1.ウチワ 躍 … 瓦屋節・早作田節 
打掛男子二人組だったわのよ〜動きがとても美しくてしなやかだったけど、良く見たら手が骨っぽくてゴツゴツしてて肩幅もあれだったから、「あ、男子じゃーん」って。

2.柳 躍 … 柳の枝ってのがさぁ、いわゆる南京玉すだれ状態でビヨヨーンって伸びたり縮んだり。おひょひょ?そういうところについつい注目しちゃうんだよね。これは、女子二人組。歌はなんだっけ?柳節?

3.節口躍 … 四季口説
ソロの二才踊りですたね。踊り手も唄うのよね。踊りの所作がいろんな情景を表していて楽しそうなのだな。しゅてき♪

4.麾 躍 … 辺野喜節で。でも、唄も微妙にオイラが知ってるのとは違ったりするのら。なんだろう、原型に近い唄い方なのかね?男子二人組で勇ましく。

5.伊計離節 … なんと早弾きじゃない伊計離節だったのよ。そんなのもあるのね。もともとの歌がこれなんだろうね。へぇ〜、面白い。いろいろ譜面を集めて調べてみたいわぁ〜。旅姿の男子と、女子の絡み合う踊り。マイムっぽいコミカルな動きがちりばめられていて、ちょっと笑える。

6.笠 躍 … 金武節・長恩納節。
花笠みたいな被り物だったけど、デザインとか全然違って。打掛男子チームだったわね。踊りも、そっち系でゆったりと。

7.四つ竹躍 … 踊こはでさは、今回は省略だそうで。沈仁屋節・南嶽節で。でも、この南嶽節も速弾きじゃなくて、ゆったりとしたタイプでございました。もともとは、こっちなんだろうね。
 四つ竹は、今の四つ竹を二回りくらい大きくした黄色い四つ竹で。でも、同じような持ち方でカチ、カチと。

8.御世治口説 … しらない歌ですた。今は、唄われていない曲らしいけど。
 踊り手が結構唄うんだけど、日本語なんだよね。江戸上りを意識してかな。うむ。ってか、口説って一般的に七五調だし日本語寄りだしね。

9.しょんだう躍 … 美女二人と、醜女二人が絡み合いながら踊るラスト演目だそうで。江戸上りでもこの演目がフィナーレだったらすぃよ。醜女が着ていた下かん(プリーツスカートみたいなの)がさ、紺なんだけどよく見ると地模様が入っていて綺麗だったわぁ〜。

 そして、最後の演目「唐躍」
 これはかなり京劇のスタイル。衣装も、メイクも、音も、唄も、言葉も、踊りも全て。ちょっと字幕が欲しかったかな。ま、やってる人たちも全員中国の人たちだし。(在日の京劇の劇団「新潮劇院」がやってる)本来は、琉球の人がこのスタイルでやってたらしいよん。

 ま、そんなこんなで思いつくまま書いてみた。まだ、琉球芸能に関してはやっと見始めたばっかりのおしりに殻がくっついたままのヒヨコですよってに、とんちんかんな感想でもご容赦を。
 やぁ〜、でも面白い。もっともっとこの世界の事を知って楽しみたいと思った。多分、一生かかっても知りつくせないくらいいろいろあるんだろうね。もっといろんな唄が知りたいね。そんでもってもちろん習って唄いたいねぇ。こうやって色んなバリエーションがあったり興味はつきましぇ〜ん。センセーよろしくぅ♪

 そうそう、秋篠宮紀子さまがいらしてたよ。2階席に。