『人間国宝・至芸の宴』 12月20日国立劇場おきなわ

 あわわ、もう一か月前のことになっちゃいましたが、唄三線西江喜春氏が人間国宝に認定された記念公演が国立劇場おきなわであり、せっかくだからと空を飛んで観に行った。
 おりしも同時期に母の知り合いの彫金作家さんと、東京の三線友達おじさまも沖訪するということで二人のチケットもゲットして3人で鑑賞。(友の会割引発揮!ありがとう〜。スタンプもいっぱいたまったわ〜w)会場には、沖縄の三線的友人や東京からも知り合いが来ていたりしてバッタリ会って「こんなとこで!」と驚いたり。

 さて第一部は幕があがると舞台の端から端までのひな壇にズラ〜っと並んだ唄三線の人々。最前列に三線以外。安冨祖流と野村流が両方出ているのでどうするのかしらと思ったら、「かぎやで風」と「女特牛節」は交代で、「揚作田節」は一緒にという感じで(確か…?)
 最初の「かぎやで風」の時、胡弓の調弦が酷く違っていてアワワワでもうそればっかり気になったのですが、後半で気づいて直してましたね。わー、びっくりしたー。だもんで、いまいち踊りをちゃんと見た記憶が薄いww老人・老女・黒朝・打掛だったっけ?
 「女特牛節」は、玉城節子。踊るのを見るのは実は初めて。牡丹色の打掛がとても素敵で、年齢を感じさせない可憐な雰囲気が凄いなぁ〜と。(いいなー、打掛だったらあんな色のが欲しい)

 独唱は、島袋正雄氏が体調不良ということで休演でした。まだ、一度も生で聴いたことが無いので、ちょっぴり残念でした。なので、上手に照喜名朝一、下手に城間徳太郎という感じで舞台がしつらえてあり、演奏していない時は照明があたらないという感じ。お二人とも着物がとてもきれいだった〜。照喜名朝一は、水色な感じのキラッキラな結構派手な感じで。あれ、若い人が着ても嫌味な感じだね、きっと。こういう沖縄の感覚はスキです。
 そういえばこのお二人の独唱は6月の横浜能楽堂で聴いたのがお初でした。その後、照喜名朝一は世田谷に来たときに二日間にわたってたっぷり堪能したし、12月3日の玉城盛儀襲名披露公演でも間近で拝聴したのですが、城間徳太郎は横浜以来。城間徳太郎は、わりと真面目な顔で唄うのに対して、照喜名朝一は嬉しさを満面に浮かべて唄うんですよね。性格の違い?流派の違いかも?アハ♪
 そういえば横浜は「赤田風節」と「仲村渠節」だった。そういう曲なのかな?へぇ〜。

 組踊は初めて観る「手水の縁」。最初に組踊の事をちょっと齧ってからずっと気になっていた演目。忠孝なテーマが多いなかで、これはそれから外れた話だとかで「おや?」と。アヴァンなかほりが漂ってる〜?なんて妄想してみたり。そんなことから冊封氏の前では演じられなかったという定説が、最近になってそんなこともなく上演されていたらしいという話も出てきて、ロマンが広がる芸能歴史事情。そのうちそういった歴史も勉強してみたい。(今はまだそれ以前でいっぱいいっぱい)

 宮城能鳳の玉津が観れることも子弟コンビなことも楽しみでしたが、西江喜春が一人で地謡をやるというのもものすごく楽しみで。西江喜春ワールドは、大変にうっとりでした。なんて愛あふれる唄三線なんだと。三線の音も唄う声からも立方に向けた温かいものを感じる音が舞台を包んでいて、とても良いものを観たなぁと。素晴らしかったです。見ると立方をずっと視線で追いながら唄っていた。やはりこれは生でライブで観て、聴いて、感じないとだぁ〜と改めて思った次第。わざわざ沖縄まで来たかいがあったってものです。ありがとうございます。
 ハッピーな場面だから平気だろう〜と油断してたら、アーキーのところでウルっときてしまった。タメイキ〜

 一緒に行った母の知人(大阪在住)も初めてこういったものを観たけど、いいものを観たと喜んでいただけたようでほっと胸をなでおろし。沖縄にこういったモノがあるのを始めて知ったということでした。旦那さんが月一で仕事で沖縄に来ているそうで、今回はそれについて来たということで、また機会があったら沖縄に来て舞台を観に行ってみるねと。
 幸人のLiveに一緒に行ったりする民謡大好きおじさまOさんも、西江喜春良かった〜!!とニッコニコで。今年になってからも会うとその時の話をされます。3月の国立4月のパブリックシアターも「行きたい」というので、一緒にチケットをとってあげました。うひひ♪(このOさん、普段は古典は…以下略、って感じなのだけど、組踊とか舞踊は結構スキみたい。京踊りも毎年観に行ってるみたいだし)

「人間国宝・至芸の宴」

第一部 古典音楽舞踊・斉唱、独唱
一、古典音楽舞踊・斉唱
舞踊「かぎやで風」 島袋光晴・宮城幸子・玉城秀子・谷田嘉子・喜納幸子・又吉静江・眞境名直子

舞踊「女特牛節」 玉城節子

斉唱「揚作田節」 
[斉唱]
(歌・三線
 [沖縄伝統音楽安冨祖流保存会]
  岸本吉雄・大城助吉・照喜名朝一(人間国宝)・金城武信・
  玉城正治・金城清雄・濱元盛爾、宮里敏則、照喜名進・仲原善光・
  糸数一雄・上地正隆・宮城英夫・宮里政栄・源河徳淳 
 [沖縄伝統音楽野村流保存会]
  前川朝文・照屋勝義・國吉正康・大城長俊・山城柳太郎・喜友名朝宏・
  比嘉恒夫、金城タケ子、知花清秀・大城米雄・島袋英治・喜瀬慎仁・
  中村一雄・宮城勝秀・田港朝弘
(箏)
 [沖縄伝統音楽箏曲保存会]安里ヒロ子・宮城光子・上地尚子  
( 笛 )嘉数世勲
(胡弓)新城清弘 
(太鼓)喜舎場盛勝

二、独唱
「赤田風節」城間紱太郎(人間国宝
      箏/城間安子
「本花風節」照喜名朝一(人間国宝
      箏/安慶名久美子

第二部 組踊「手水の縁」  
 立方指導:宮城能鳳(人間国宝

【配役】
 玉津/宮城能鳳(人間国宝
 山戸/新垣悟
 門番/天願雄一
 志喜屋の大屋子/親泊久玄
 山口の西掟/嘉手苅林一

地謡
 歌・三線西江喜春(人間国宝
 三線/玉城和樹
 箏/宮里秀明
 胡弓/又吉真也
 笛/大湾清之
 太鼓/比嘉聰

【出演団体】
 伝統組踊保存会・琉球舞踊保存会・沖縄伝統音楽安冨祖流保存会・
 沖縄伝統音楽野村流保存会・沖縄伝統音楽箏曲保存会

 今回の紅型幕は、また違って梅の木がどーんとした感じで。いったい何パターンあるのでしょう?どっかにそれを集めたHPとかないかな?
 それにしてもド真ん中の席って本当にド真ん中一直線上で、「きゃ〜、こっち見てる〜?」と盛大に勘違いしてドキドキを楽しんでみたよ。うひひひ。記録用としてカメラが何台も入っていたけど…。DVDとか出してくれないかなぁ〜。