「嘉例!!」〜さびたん!

 5月12日(土)は、友人達とぞろぞろ連れ立って「嘉例!!」という公演を横浜のKAATへ観に行って来た。

 12時からチケット引換で、14時開演というのでチケットを引き換えて席を確保した後腹ごしらえじゃぁ〜と中華街へ。KAATからは道を渡って1ブロック陸側に入ればそこがもう中華街の入口。超近いわけで。去年、横浜能楽堂へ組踊を観に行った帰りに偶然入った飲茶の美味しい店にもう一度行きたいなぁ〜と漠然と思っていたのだが正確な場所とか、店の名前は全く覚えていず。しかーし、飲茶の神様のお導きか、鼻が利いたのか迷いもせずに一直線に到着。おぉう、びっくり!!にふぇーでーびる!

 というわけで、昼間からカリ〜♪とな(いや、オイラだけは茶だす。無理だって。だから瓶で嘉例〜してみたw)
 飲茶の蒸し器をダダだ―っと積み上げて、食べる、食べる、飲む、飲む。みなさん、この後うちらナニするかちゃんと覚えています?(笑)
 プリップリのエビ餃子、カニ焼売、小龍包、なんかの湯葉包み、蒸しおこわ、皮蛋豆腐……、まだいろいろ。デザートは、胡麻団子の揚げに焼きに、絶品杏仁豆腐に。ここは何頼んでもおいしい。ケンカ無用な人数分で作ってくれるし。もう無理〜〜ってくらい喰いまくった。あははは。やっぱりお店の名前は覚えてないんだけど、場所はもうばっちりだ!!ぬふふ〜♪

 何故に神奈川でやるんだろうと思っていたのだけど、沖縄の民俗芸能自体が神奈川では昭和29年に無形文化財として指定された経緯などもあるようで。それは知らなかった。産経ニュースに今回の開催の経緯がちょっと載っています。

 後、NHKの動画ニュースにも公演の模様が。(※リンクが切れてたので修正)

一部
1.若衆特牛節 (幕開け)
 話:藤木勇人
2.あやかり節  よなは徹
3.時代の流れ
 話
4.島々美しゃ  古謝美佐子よなは徹
5.童神
 話
6.白雲節
7.豊年音頭
二部
1.華舞心
2.高平良万歳
3.千鳥
4.しゅんどう
5.鳩間節
6.谷茶ソイソイ
7.戻り籠
8.はねーきフィフィ

フィナーレ 鶴見エイサー潮風

踊手
 新崎恵子・花城富士子・呉屋かなめ・知念瞳・松田香織・小嶺和佳子・知花小百合・宇座仁一・川満香太
地謡
 花城秀樹・横目大通・横目大哉・豊里美保

 幕開けは、舞台中央後方にひな壇。地謡の4人によなは徹が加わって黒朝の5人。唄はよなは徹の独唱で。舞踊は二名。上手に高座っぽいのがあってそこに藤木勇人が着席という感じでおごそかに。顔が分からないので多分なんだけど、三線が花城秀樹と横目大哉で、太鼓が横目大通で笛が豊里美保かな?

 第一部は、藤木勇人の語る復帰にまつわる話の合間に古謝美佐子、よはな徹の唄が入るという感じで一応(?)ひとつの流れっぽく仕立てられていた。藤木勇人の話は、印象的な写真をスライドで見せてそれに関して話を膨らますという感じで。
 正直、沖縄にハマって三線を初めるまで「復帰」とかいうターム自体が殆ど私の中には存在していなかった。沖縄に興味を持ってからいろいろ本を読んだり、テレビを観たり、人から話を聞いて「あ、そういえば歴史で習ったっけ?」という。最近は、沖縄市によく行くのでコザ暴動の話もちょこっと聞いたり。でも、藤木さんの話には知らないことがいっぱいだった。

 シンプルに三線一本と唄で古謝美佐子よなは徹も唄と三線をじっくり聴かせてくれた。やっぱりこういうシンプルなスタイルが好きだなぁ。音に、唄にじっくり耳を傾ける感じで。曲目的にはもうお馴染み過ぎる曲だけど、一応テーマに沿った選曲のようで。なんだかんだ、話と唄で第一部は一時間くらいあったかな。

 ここで休憩と思いきや、そのまま第二部に。いやぁ〜、楽しかった。素敵だった。面白かった。創作舞踊と古典・雑踊などどれもワクワクする演目が並んでいてお腹一杯で眠くなったらどうしよう〜という心配なんてなんのそので、楽しんだ次第。
 「華舞心」は、最初紗幕の向こうでシルエットぽい動きで始まった。打掛がそれぞれ違う色の5人が華やかに舞い踊る踊る演目で、現代っぽいというか新しい感じの印象。艶やか。打掛だからゆっくりかというとそうでもなく、ゆったり見えて実は動きは結構激しい。もぅ、案の定ねーねーが「あぁん、あれやりた〜い。あの色違いの打掛で踊るのぉ〜!」とww
 「高平良万歳」は、宇座仁一と川満香多という布陣なわけで単に舞踊だけじゃなくて唱えの部分も入っていて組踊からの抜粋っぽい仕上がり。わぁ〜、初めて観た!!そりゃぁ、素敵ですって。いわゆる舞踊の演目とはちょっと違う迫力があって良かった。かっくいぃ〜〜!

 そして、「千鳥」とくれば最近やんごと無き理由でウチラの間ではちょっと話題沸騰、興味深々。先日の横浜能楽堂での「磯千鳥」といい、もしや?と期待膨らむわけで。いやはや期待通りで、アレがどう、これがどうと楽しんだわけで。「千鳥」シリーズでもあるのか?なんて妄想も膨らみます。やっぱり最初は「南洋浜千鳥」なのかな?調べてみると楽しそう。きっと、楽しいはず〜♪

 配られたプログラムには4番目は「諸屯」ってなってましたが、しょっぱなの三線を聞いて、え?これどう聴いても、アレやん!って。そして、まず美童が二人あの踊りで登場。はい。「諸屯」じゃなくて「醜童(しゅんどう)」でした。なかなかしゅてきな楽しい「醜童」でございました。やぁ〜、いっぱいクルクル回ってましたね。ちっこい方。
 ってか、唄にももうっとり。気持ちよかったなぁ〜。いい声でございまする。

 「鳩間節」で新崎恵子登場。揺らがないどっしりとした踊りがカッコいい!!後半嘉手久になって、袖にはけようとするのを地謡が唄で引きもどすようなやりとりが何度かあって、そいうとこがあぁ〜、いいんじゃないの!と面白くて。エンターテインメントしてるなぁと今回全体的に感じた次第。なんだろう、何かが違う。私にはまだ何がどうなのかとかよく分からないけど。
 と、第二部の後半はどんどん盛り上がる感じに客席からも手拍子が起こって。「谷茶ソイソイ」も二才役が男性顔負けの激しい動きで踊りもカッコよくってぐいぐい引き込まれる。「戻り籠」も楽しかったなぁ。さすが役者な二人、表情とか動きとか小芝居バッチリな感じで堪能させていただきました。いや、でも一番は醜女ちゃんかなぁ〜、良かった!最高〜♪この演目はきっとやる人によって違いが凄く出るんだろうなぁって思った。まだ、生ではそんな回数見てないんだけど。
 「はねーきフィフィ」って意味がいまいちわからないまま見てたんだけど。「はねやかす」から来てるのかな?とか。ってか、使ってた音楽のタイトル?結構サビがキャッチーなので何度か聞いたことがあるのを覚えている曲なんだけど、あんまり沖縄っぽさを感じないお祭り系演歌っぽいちうかww あぁ、気になって寝れない。♪でーくさんしん、どんびかせ〜。どんどんどん、どんびかせ〜、ほにゃららら〜、ひやみかせって途中津軽三味線っぽい感じになるやつ。踊りながら言う囃子も迫力あってカッコよくって凄いなぁ〜と。

 地謡も少人数ながらもなかなか唄もうっとり度高くて良かったでございます。横目って名前に見覚えがあるなって思って調べたら、片方は江戸上りで三越劇場に来てたんですな。あのしゅてきな髭付けてはったんですな!ってか、この兄弟ってば京都でやった「尚寧王と…」に居たね。そうそう。思い出してきた。ってか、太鼓!

 まぁ、そんなわけで今回も知らないことだらけでしたが、凄く楽しむことができたわけで。幸せな時間をみんなで共有できて感謝です。ありがとうございます。ああいいなぁ〜、沖縄(はぁと)

 最初、貰ったハガキ状のフライヤーでは、いまいちどういうイベントなのか中身も分からなくて古謝美佐子よなは徹藤木勇人はわかるけど、「藤の会」ってどこの人?神奈川の人?沖縄の人?それも分からなくて、友達をどう誘おうかとか思ってた。舞踊もあるようだし、ちょっと気になったのでネットを探してもハガキ以上の情報は見当たらないし、なんだろコレ?って。舞踊って幕開とかだけなのか、がっつりあるのかも何人出るのかも、誰が来るのかもわからなくて。
 友達にそのフライヤーを見せても、渡しても、誰もくいついてこないわけで。あははは。私自身、知らないし、分かって無いってのもあるわけで。

 でも、沖縄の知人から「藤の会の新崎恵子さんの所は、凄くカッコよくて、楽しくて内地じゃまずなかなか見れないから絶対見て」とおすすめされたので、最近よく一緒につるんで舞台を見に行ったりする友人達を誘ってみたらみんな絶賛!!「こんな楽しいの見たことな〜い!」と。
 しっとりと唄も聴いて、知らない歴史の話も聞けて、そして何より舞踊の舞台がどれも凄く楽しくて、素敵で良かった、盛りだくさんでお得気分〜♪と。あーん、こんなんだったらライブは行くけど、国立劇場とかには行かない系の人も誘ってみれば良かった。(でも、やっぱり自分の中の未知数が多いものは誘いにくい。責任持てないもん…)