二度目のたうたうつげよつげよ。

 天気はいいけど冷えた日曜日。午後は友人達の立ち位置確認に付き合う。普段の練習場所と舞台では広さが違って、当日現場での立ち位置確認の時間も取れそうにないので公園で広さを想定してフォーメーションを中心に練習。オイラは、口三味線で参加。
 最近は公園で三線とか楽器を弾いちゃうと、たとえ練習でも三線一丁でもチェックが入って警察とか来ちゃって面倒なので手拍子と唄でなんとか。ま、公園にもよるのだろうけど。しかし、ビルの陰で寒くて、寒くて終わる頃には色々しびれてた〜。三線弾くにも指がかじかんでダメだったかもね。

組踊(くみおどり)〜琉球のこころ〜

 誰が何を踊るとかパンフレットには詳細の記述はいっさいない(舞踊の説明と唄と読み方(!)と日本語訳がみっちり載っております)ので、立方は違うのかもしれません。隣のちょいと詳しそうなおばさまと「今のは誰かしらん」と相談しつつメモ。始まる前に学芸員っぽい人から鑑賞のポイントがいろいろと説明されました。地域の人と〜ってことから、初めて観る人も多いという想定の説明。でも、基本的に細かいことはそれぞれの演目の前に「パンフレットをに目を通すように」という極めて学校的な対応。実際、そんな時間は無い感じでどんどん演目は進んでいくわけなんだけど。これは世田谷とか先週の国立のがそれぞれの演目の前に説明とかあって親切だった。なんだろね、時間の関係かな?っつーか、せっかく力入れたパンフレット読んでくれの心かもね。

第一部 琉球舞踊

かぎやで風   翁:(?付け髭と付け眉毛でいまいち謎。玉城盛義かな?)、黒朝:岸本隼人(だったかも?)、打掛:上原信次
かせかけ    阿嘉修
ぜい      宇座仁一
醜童      美童:阿嘉修、上原信次  醜童:佐辺(かな?)、?(お面で見えないからニュアンスで)
むんじゅる   宮城茂雄
浜千鳥     佐辺良和
加那ヨー天川  嘉数道彦、阿嘉修


第二部 組踊    組踊「二童敵討」
出演者 沖縄芝居実験劇場

立ち方 あまおへ:太田守邦、
      乙樽:阿嘉修
      共1:宇座仁一
      共2:嘉数道彦
      共3:岸本隼人
      鶴松:佐辺良和
     亀千代:宮城茂雄
きょうちゃこ持ち:上原信二

地 謡 唄三線:新垣俊道、中村逸夫、喜納吏一
     箏:池間北斗
     胡弓:森田夏子
     笛:?
     太鼓:? 光史流だったよ。多分、あの感じ。

 パンフレットに記載されていた新垣悟と川満香多はいなくて代わりに岸本隼人が参加。立方8人、地謡7人。そんなわけで新垣悟が居たらやったかなぁ〜と思う部分を、阿嘉修が全て担当。あらびっくり、この人そんな人だったの?

 ユインチホテルの新風公演では、オバァだったり遊郭のママンだったりで踊ったのはOPENINGの黒朝モードで女踊りのイメージがあんまりなかったし、夏に観た「執心鐘入」「さかさま」2本立てでは、小僧3ですから完璧お笑い系キャラで。こねり手のしなやかさとか動きのなよやかさとか女モードが美しかったざます。
 嘉数道彦とのコンビ芸、もとい打ち組踊の「加那ヨー天川」は、今まで何回か観たなかでもかなりスキな感じで良かった。踊りがどうこうはまだ私には良くわからないのだけど、ちょっとした動きと目線で二人が呼応する息のぴったりさはさすが。ちょっと笑いを誘うようにしてみたり、その楽しさが素敵だった。こんな島尻天川はステキだ〜!!!
 阿嘉修、この人実は凄いのかも。要チェック人物にしておきまふ。

 そんなわけで、鶴松は嘉数道彦かしらんと予想していたら佐辺良和。んで、亀千代が玉かねちゃんの宮城茂雄。乙樽は当然阿嘉修。ねーねーの「あぁ〜ん、美しいわぁ〜♪」って声が聴こえてきそうなそんな美しい二童でございました。3月に国立劇場で初めて観た時に「あまおへってめっちゃショタやんwwきゃー、実はゲイ?」とかって腐女子的発言をしていた私がアサハカでした。ごめんちゃい。ワハハハ!!

 玉城盛儀のあまおへは、迫力もあって良かったと思う。最初に出てきて見栄を切る(?)所とか、酔っぱらって鶴松たちと踊るところとか。あの酔っぱらってほえほえ〜としている様はなかなかww
 そういえば一週間前に観た時は、あまおへが殺した護佐丸役だったのよね。恰好もぱっと見似てるから混乱しちゃいそうだわさ〜(笑)ってか、組踊は普通の演劇みたいにキャラクターの個性を際立たせてそれを前に出して演じるってもんでもなさそうな気がする。

 母子の別れのシーンは、地謡ばっかり観ていたら「あ、あっちで何か動きが!」と、何気にちょこちょこと動きがあるのね。唄の間って立方はただじっとしているわけじゃなかったんだ。

 というわけで、二度目の「二童敵討」ですがそれなりに予習はしてあたので字幕がなくても平気だった。正直3月に観た時の記憶は、漠然としかありません。言葉も何一つ聴けなかったし、音楽も知らないのばっかりだし。まだ出てる人も誰も知らなかったし、地謡も知らない、の知らないづくしな頃で。覚えていることと言えば、こんなところには書けないコトばかりww

 さて、地謡。唄三線は、新垣俊道と中村逸夫、喜納吏一ってなわけで、野村流モードでしたね。最近、手の動きで野村流か安冨祖流か大体分かるようになってきました。あは♪で、地謡ってこういう声質の人が多いのかなぁ〜聞いたことある感じと思ったらそれもその筈。最近、聴きまくっている比嘉康春のCDに新垣俊道と中村逸夫は登場しているわけで、なーる。そりゃ、よく聴いている声だって。夏の国立おきなわでもこの人たちはやってたよね。
 地謡の下に敷いてある毛氈の処理がぐっちゃぐちゃで、見ていてとってもとっても直したくなったオイラはA型。あれは、酷かった(笑)

 薩埵ホールは、800人くらい入りそうな階段状のホールで舞台は見下ろす感じ。講義とか会議とかに使う感じで各席に引き出せるテーブルがある。シアターでは無いので舞台が遠いのなんのって。なんせ最前列から舞台までかなりの広さ。舞台上の奥行きよりもさらにある感じで。(舞台と階段席の間のアリーナな所にも人が多ければ机と椅子が置かれるだろうけど今回はそれは無く。上の方の席は空いていて満員では無かったしね。だって、やっぱりまわりの沖縄好きな人たちは誰も知らなかった。情報が本当に出回っていない。残念なことです)
 字幕表示はなく代わりに台本が印刷されたものが配られていました。客電をもうちょっと暗くしてほしかったのだけど、台本が読める明るさを確保するためにああなったのかと。しかし、途中で紙をめくる音が会場中に盛大に響いて、ちょっと興ざめしないでもないけど、まぁしかたが無いか。横浜能楽堂でも同じだった。そういうものかと思ってればいいかな。(あんな12〜14ptの大きい文字と謎なインデントや改行を使わずに見開きとかで全部観れるようにしてればいいのになぁ〜とか思ったけど。パンフレットはこじんまりと、でも情報量は結構ある感じできてたのにさ←これはプロの仕事やなww)

 そういえば紅型幕が無くって、白ホリゾントバックで。紅型幕を観るのも愉しみの一つだったので、微妙に残念。まぁ、でもアレ結構大きいから畳んでもそうとうな大きさと重さになるわけで。手で持ってくるとか無理そうだし。舞台(薩埵ホール)は、幅はあるけど奥行きがぜんぜんなくてお供は狭そうに座ってはりましたな。

 来年4月1日に世田谷のパブリックシアターで沖縄芝居実験劇場の公演があります。チケットの発売開始は1月15日から。600人強のシアターなので、チケットは早めにゲットしないと無くなっちゃうかもね。今回新しいフライヤーが配られてたみたいなのですが、私が貰ったのには入っていなくて。帰りに貰おうと思ったら無かった…。今年の3月(!)に貰ったフライヤーには2回公演となっていますが、この日の話では一回公演って言っていたような…??そのうちパブリックシアターのWebに出るでしょう。
 沖縄戦を描いた創作組踊「花の幻」が上演される模様。

 なんにしろこうやって東京でも舞台を観れるのは大変にありがたいことだと思います。本当に。電車に乗って観に行けるなんて、最高だわ〜!!