春の学舎で学ぶ?ww

 一気に春めいた陽気の中、「復帰40年沖縄国際シンポジウム」@早稲田大学に行って来た。一日目の29日(木)には、興味のあるセッションが重なっていてちょっと悩んだりしましたが、今一番興味がある部分に集中しようと一日井深ホールに入り浸ってみた。
 
 はじめての早稲田大学。一応地図で会場を確認していたものの駅を出てからの学生の波に流されるようにポカポカ陽気の中歩く。写真の桜は、大学の正門のところから塀にそってある何本か。手入れをしていて庭師のおじちゃんに聞いたら早咲きの桜だとか。しかし、例年ならもう散ってたりする時期で今年は凄く遅れたと。どの木も丁度満開で快晴の空にとても美しくしばらく見とれる。

 振り返るとそこは新入生を獲得しようという倶楽部・サークルの勧誘ワールドが広がっていて、目的地に向かうにはその勧誘ワールドをつっきって行かないとな感じで。ま、いっかとその流れに乗ったら最後、人ひとりしか通れない狭さにまで人々がせまってくる前に進むしかない状況になり、ちょっと新入生気分を味わって、総合大学のサークルのニッチさ加減にゆっくり見て回りたい誘惑にかられる。
 そんな感じでキョロキョロしていたもんだから、すっかり現在地を見失い目的地はどこだ状態。迷いに迷って、超遠回りしてやっと会場にたどり着く。はー、汗だくw
 後から確認したら、最初にまがったところからして間違っていたらしく。あはは。でも、おかげでこの素敵な桜たちに会えたし、若者エキスをちょっとは吸収できた気がするからいいか(爆)

◆1st ses.(10:00-12:00) 歌と踊りに見る琉球人・沖縄人の主体性
◆2nd ses.(13:30-15:30)大衆メディアがつなぐ近現代沖縄音楽の「内」と「外」
◆3rd ses.(16:00-18:00) 組踊りとは何か──組踊の伝統と継承

 の三つに出てみた。正直知らないことだらけなので、どの話も興味深く拝聴。山内盛彬と宮良長包と世礼国男がやった譜面化の話が面白かった。口伝、身体による継承だった音楽をもっとシステマチックに広く広めるアプローチをそれぞれの信念で行っていたんだなと。なんか「近代化」という匂いがムンムンする時代感。
 そうそう二つ目のセッションで大正、昭和初期の音源をいくつか聴けてそれが面白く。三線の伴奏でなく、ピアノなどの西洋楽器の伴奏で録音されたものが多くあったってのが意外だった。沖縄県公文書館で、いろいろ聴けるそうだ。おぉ〜、いいこと聴いたぞ。普久原朝喜(だと思われる)屋慶名クハディサーだとか、始めて録音された新安里屋ゆんたはピアノとヴァイオリンで録音されている。話にはきいていたのだけどその音源を実際聴くのは初めててで、そーいやこんなウタモチと唄い方だったなぁ〜と記憶をたぐり。

 個人的に当然ながら一番目玉にしていた「組踊とは何かー組踊の伝統と継承」はとても面白かった。
 1.組踊の継承について
 2.組踊の型について
 3.組踊の身体について
 と、三つに大きくわかれていてまだまだこの分野は研究途中で、その研究対象自体も動いていてまだまだ定まっていない状態なのだということがよく分かった。琉球処分や戦争やらで途絶えたり失ったり、地方へ継承されていった歴史を発掘したり、研究したり、進化させたり、実験したりとまだまだ歴史を作ろうとしているまっただ中なのかなぁ、と。ま、小難しい話は学者の人たちにまかせて私はどう楽しむかのエッセンスを吸収できればいいなぁという感じで。

 「身体の継承」という話題が面白く。それをどう行って行くかというのはまだまだ始まったばかりで混沌まっただ中って感じがする組踊ワールド。見ている分にはどうなって行くのかなぁと面白い。スポーツ力学とかで身体の記号化はかなりなされているけど、数字が結果のスポーツと芸能ってのはやっぱり違うわけで、そこの違いが「芸」ってやつなのかなとぼんやり考えたり。でもね、できれば閉じるのでは無く広く開いて行って欲しい。色々みたいからと、呑気な見る側は貪欲ですいませんww

 私的な収穫は「唱え」の系譜と種類という部分。ここで宮城茂雄が実演を交えて説明。先日の芸能サロン@国立劇場の説明がさらに細かい分類と実演も交えて行われ、やぁ、これを知れただけでも来たかいがあったってもの。ここで貰ったレジュメには「掛け」「掬い」「強吟」「底吟」「和吟」「含み」とあり若衆と女の違いもさらに細かいところまで、なるほど〜と!!
 宮城茂雄のあまおへを聴けるなんて。おぉ〜、さすがでございます。とても面白く勉強になりました。
 家に帰ってからこんな感じ〜?と、家にある台本をひっくり返していろいろやってみる。たのちい〜〜!!何気にあまおえが楽しい。ふふふふ。ま、最近よく見たからかな。後、やっぱり若松をやって干瀬節を唄うとか楽しすぎる。一人組踊、あほですな。頭に悪いモン沸いてますな。あはははは。組踊を鑑賞する際にこの「唱え」自体が私の中では音楽と繋がっている感覚で、唱えから干瀬節とか散山とかの二揚げ曲に繋がるところとか、きゃぁ〜と萌メーターがビンビンなわけで(笑)

 今夜はこのシンポジウム内で上演される「花売の縁」を観に行きます。登場人物にバリエーションがあるので楽しみでごじゃいます。「唱え」に焦点を当ててじっくり鑑賞しましょう。女に男に若衆におちゃるも出てくるし、オジイも出て来るし、じっくり楽しみたいと思います。